卸電力取引市場高騰

年末から卸電力取引市場の価格高騰が続いている。日曜日は需要が低いにも係わらず150円で調達が取引されています。一般消費者への電気料金の販売単価は概ね20円強となるので、送る金額10円弱を加えて、小売電気事業者は、1kWhあたり20ー160=ー140円下に個人にマーケットが開かれていればと悔しくてならない。しかし、情報の逆ザヤになっています。1日の平均も90円の価格がついているので常に赤字となっています。

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図1:1月10日受け渡しのJEPXスポット取引価格 出典:JEPX

原因は、寒波による需要の増加と、LNG国内備蓄不足による発電所の出力低下と言われています。しかし、今年はラニーニャの予報があったのでLNG備蓄をしっかりとしておくべきでしたが、大手電力会社の発電会社は調達が十分にできませんでした。秋以降世界的にLNGプラントの故障が多発し北東アジアのLNGスポット価格が高騰。安い北米のLNGをもってこようにも船が不足という状況といわれていますが、異常な高騰なのでグループで発電所保有する大手電力会社が情報の非対称性を利用し自社グループに有利な対応をしているとも噂されています。恐らく体力の弱い小売電気事業者の倒産なども増加が予想されます。今回の事象で卸電力取引市場の未成熟さが露呈しましたので、構造的に改革し、公取の介入も含め一般投資家も参入する魅力的な市場へ成長して欲しいと思います。

とはいえ、未成熟な市場は一儲けのチャンスでもあるので、何かしら方法がないものかとも思います。