わかりずらく興味が湧かない電力会社の排出係数

電力会社がどれだけ石炭火力やガス火力発電などから電気を調達しているかの指標として、電力会社の排出係数というものがあります。

◆電気事業者別排出係数一覧

https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/h31_coefficient.pdf

 これが、わかりずらい。一般消費者の方には、全くわからないでしょう。

環境志向の消費者の方は『環境にやさしい電気』が欲しいだけで、難しいのは困りますよね?

個人的には、調整後排出係数の一本化が、環境政策としては良いのではないかと思います。また、名前も、「実効排出係数」と変えたほうが良いです。

 

大きな工場や商業施設などは、「省エネ法※1」や「温対法※2」という法律によって、CO2排出量の報告や削減が求められていますが、お金を使ってでもそれに取り組む仕組みがあるからです。

しかし、基礎排出係数というものを残しているために、折角の企業が大事なお金を使って「CO2排出量をオフセット※3」しても、その努力がかすんでしまう状況となっています。

今、政府でも議論がなされていますが、基礎排出係数はしばらく残りそうです。

消費者にとって理解しやすいものへ、また、環境と業界の成長のために、是非見直しを期待します。

 

※1)省エネ法・・・「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の略称。工場・事業場及び運輸分野で一定の基準を満たす事業所は、定期報告と省エネ措置の実践が求められます。

※2)温対法・・・「地球温暖化対策推進法」の略称。一定以上の温室効果ガスを排出する事業所を所有する事業者は、温室効果ガスの排出量を毎年報告する義務が求められます。

※3)CO2排出量をオフセット・・・企業が排出した量は、どこかで削減した排出量とトレードする仕組みがあり、それをオフセットといいます。例えばAさんが自分の施設で、100t-CO2を排出したとして、Bさんが1,000から900まで100t-CO2を削減した場合、それを証明書化しAさんが購入することでAさんが100t-CO2を削減したとする取組みです。